イスラム大学マディーナ校は、Times Higher Education(THE)の世界大学ランキング2027で、2026年の1001~1200位帯から701~800位帯へと順位を上げた。258位の上昇となる。
サウジ通信(SPA)によると、この上昇幅は、2026年時点で世界トップ1100位以内に入っていた大学のうち、世界で3番目に大きい。サウジ国内の大学全体の平均的な成績を押し上げる要因にもなったという。
国内では、公立・私立を合わせたサウジの全大学の中で24位から18位へ6つ順位を上げた。公立大学に限ると21位から13位へ8つ順位を上げている。
イスラム系大学の中では、世界で8位から5位へと順位を上げ、複数のイスラム系教育機関を上回った。同大学は、2030年までに世界を代表するイスラム大学になるという目標の達成に向けた歩みを反映したものだとしている。
同大学は、この結果をさらに高い世界順位を目指す弾みとし、創造や人間開発、地域社会への奉仕に貢献する、普遍的なイスラムの使命を担う学術機関としての地位を強めたいと強調した。
では、258位という上昇は、ランキングの構造の中でどのように評価されるのだろうか。THEの世界大学ランキングは、教育、研究環境、研究の質、産業連携、国際性といった複数の指標を組み合わせて算出される。順位帯が1001~1200位から701~800位へ移ることは、単純な順位の入れ替わりではなく、評価指標の合計スコアが一段上の区分に達したことを意味する。同大学がどの指標で伸びたのかは、SPAの発表では触れられていない。
国内順位の動きも見ておきたい。全大学で24位から18位へ、公立大学で21位から13位へという上昇は、サウジ国内で競争する他の大学の順位が同時にどう動いたのかという問いを呼び起こす。SPAは、同大学の上昇が国内平均を押し上げたと伝えるが、他の大学の個別の順位変動には言及していない。国内18位という位置は、サウジの公立・私立大学の中でどのような層に位置するのか。この点を読み解くには、他の大学の結果を待つ必要がある。
イスラム系大学の中で8位から5位へという変化は、世界のイスラム系教育機関の中での相対的な位置を示す。SPAは「複数のイスラム系教育機関を上回った」としているが、具体的にどの大学を上回ったのかは明らかにしていない。イスラム系大学という括り方自体、THEのランキングが公式に設けた区分なのか、それとも同大学やサウジ側の整理なのかは、発表からは判別できない。
同大学が掲げる「2030年までに世界を代表するイスラム大学になる」という目標は、今回の順位を一つの通過点として位置づけるものだ。701~800位帯からさらに上を目指すには、どの指標を伸ばす必要があるのか。大学側は「さらに高い世界順位を目指す弾みとする」と述べるにとどめ、具体的な数値目標や時期には触れていない。
マディーナに拠点を置く同大学にとって、国際性の指標は地理的な条件とも関わる。留学生の受け入れや国際共著論文の比率などが評価に影響する場合、どこまでを大学の努力で動かせるのかという問いもある。SPAの発表は、こうした指標ごとの分析を伴っていない。
今回の発表で確認できるのは、順位帯の移動、上昇幅258位、世界での上昇幅3位、国内24位から18位、公立21位から13位、イスラム系8位から5位という数字だ。ランキングの算出方法の変更や参加大学数の増減があったかどうかは示されていない。順位の上昇を前年比較で読むとき、母集団の変化をどう考慮すべきか。この点もSPAは説明していない。
サウジの大学全体で見れば、今回の結果は一校の躍進として伝えられている。国内の他大学が同じランキングでどのような結果を出したのか、発表の中には含まれていない。国内平均を押し上げたという記述からは、他大学の動向を推し量ることしかできない。
同大学は声明で、創造、人間開発、地域社会への奉仕という三つの役割に言及した。ランキングの順位と、こうした使命の達成度は直接には結びつかない。順位の上昇を使命の前進とどう結びつけて説明するのかは、大学側の今後の発信にかかっている。
THEのランキングは毎年更新される。2027年版での701~800位帯という位置を、翌年どのように維持し、あるいは更新するのか。大学側が「弾み」と表現した言葉の重みは、次回の発表で試されることになる。SPAは今回、次年度の目標や具体的な計画については伝えていない。
イスラム大学マディーナ校はTHE世界大学ランキング2027でどの順位帯に入ったか。 2026年の1001~1200位帯から701~800位帯へ上がった。上昇幅は258位で、2026年時点で世界トップ1100位以内だった大学の中では世界3番目の上昇幅となる。
サウジ国内での順位はどう変わったか。 公立・私立を合わせた全大学で24位から18位へ6つ上がった。公立大学に限ると21位から13位へ8つ順位を上げている。
イスラム系大学の中での順位は。 世界のイスラム系大学の中で8位から5位へ上がり、複数のイスラム系教育機関を上回った。SPAは具体的にどの大学を上回ったかは明らかにしていない。
大学側は今回の結果をどう位置づけているか。 2030年までに世界を代表するイスラム大学になるという目標に向けた歩みを反映したものだとしている。さらに高い世界順位を目指す弾みとし、学術機関としての地位を強めたいと強調した。
ランキングの指標ごとの分析は示されているか。 SPAの発表には指標別の分析は含まれていない。順位帯の移動や国内順位、イスラム系大学内の順位などの数字が中心で、算出方法の変更や参加大学数の増減にも触れていない。