Sunday, November 8, 2026
観光

サウジ観光庁、中国で販促ツアーを終了 2025年の中国人訪問者48%増を受け

サウジ観光庁、中国で販促ツアーを終了 2025年の中国人訪問者48%増を受け

サウジ観光庁(STA)は2026年9月21日から24日にかけて中華人民共和国を訪問し、中国人旅行者の誘致、商業パートナーシップの拡大、サウジの観光地や季節商品、イベントへのアクセス円滑化を目的とした販促訪問を終えた。サウジ通信(SPA)が9月26日に伝えた。

サウジ通信(SPA)によると、代表団を率いたのはSTAの最高経営責任者(CEO)で理事会メンバーのAgeel Alshaibani氏。代表団は中国の主要な旅行・観光・ビジネス企業の幹部と会談し、販売チャネルの拡大、対象を絞った商品の開発、旅行体験の円滑化を図った。

訪問では、AlUla、Red Sea、AMAALA、Riyadh、Jeddahといった主要な目的地に加え、サウジアラビアが通年で開催する国際スポーツ、文化、エンターテインメントのイベントカレンダーが紹介された。中国市場の旅行会社にとって、こうした目的地と年間を通じたイベント群をどう組み合わせて商品化するかが焦点になったということだろうか。

Alshaibani氏は中国が主要な成長市場であると強調し、2025年の中国人訪問者が48%増加したことは協力の大きな潜在力を示していると述べた。STAとパートナーは、10の受け入れ可能な目的地、30社超のデスティネーション・マネジメント・カンパニー、旅行・決済ソリューション・テクノロジーにわたる幅広いパートナーシップを備えた統合的なエコシステムを構築し、予約から到着まで旅行者を支援していると付け加えた。

10の目的地と30社超のデスティネーション・マネジメント・カンパニーという体制は、中国の旅行会社が求める商品造成の幅にどこまで応えられるのか。決済やテクノロジーの連携は、予約から到着までのどの段階を実際に短縮しているのか。こうした点は、販促訪問の成果を測るうえで問われるところだ。

訪問中、代表団は北京のサウジアラビア大使館が主催したサウジアラビア建国記念日の祝賀行事にも参加した。SPAは、これが二国間の強い結びつきと、相互の文化交流を促すうえでの観光の役割の拡大を反映するものだと伝えている。

建国記念日の祝賀に観光代表団が参加したことは、政府間の関係と民間の旅行商品の販売網づくりが同じ場で重なることを示す。文化行事の場が、そのまま旅行会社との接点になるという見方もできるだろうか。

STAの今回の訪問は、中国人旅行者を対象にした販促と商業パートナーシップの拡大、そしてサウジの目的地、季節ごとの商品、イベントへのアクセスを容易にすることを目的としていた。目的地として名が挙がったのはAlUla、Red Sea、AMAALA、Riyadh、Jeddahの5つで、いずれもサウジが観光振興の柱として位置づける地域だ。

AlUlaは古代遺跡を中心とした文化観光、Red SeaとAMAALAは紅海沿岸のリゾート開発、RiyadhとJeddahは都市型の観光とビジネス需要を担う。中国人旅行者の関心が文化遺産と沿岸リゾートのどちらに寄るかによって、販売チャネルに流す商品の構成も変わってくる。STAが中国の旅行会社と詰めた「対象を絞った商品」とは、こうした目的地ごとの性格の違いを踏まえたものとみられる。

年間を通じた国際スポーツ、文化、エンターテインメントのイベントカレンダーも売り込みの柱になった。特定の季節に集中しないイベント群は、旅行会社にとって通年で商品を組みやすい素材になる。中国人旅行者の休暇取得の時期と、サウジ側のイベント日程がどこで重なるかが、送客数の変動を左右するだろう。

Alshaibani氏が示した2025年の中国人訪問者48%増という数字は、今回の訪問の根拠となる実績だ。STAはこの伸びを、中国が主要な成長市場であることの証左と位置づけている。伸び率は前年との比較であり、訪問者数の絶対数や、サウジ全体の外国人訪問者に占める中国の割合はSPAの報道では示されていない。

STAとパートナーが構築したとされる統合的なエコシステムは、10の受け入れ可能な目的地、30社超のデスティネーション・マネジメント・カンパニー、そして旅行、決済ソリューション、テクノロジーにわたる幅広いパートナーシップで構成される。予約から到着までの旅行者支援がその狙いだ。

デスティネーション・マネジメント・カンパニーは、現地での受け入れや体験の造成を担う存在で、その数が30社を超えるということは、目的地ごとに複数の受け入れ主体が競合しうることを意味する。中国の旅行会社から見れば、提携先を選ぶ余地が広がる一方、品質のばらつきをどう見極めるかという課題も生じる。STAが「円滑な旅行体験」を掲げた背景には、こうした受け入れ側の多層構造がある。

決済ソリューションとテクノロジーの連携は、中国人旅行者が慣れ親しんだ決済手段や予約の流れを、サウジ側の受け入れ体制にどう接続するかという論点を含む。予約から到着までの各段階で、どこが自国語や自国決済に対応しているかは、旅行先を選ぶ際の実務的な判断材料になる。STAが中国企業との会談でこの領域を重視したのは、目的地の魅力とは別に、旅行の手間を減らす競争が中国人誘致で重要になっているためとみられる。

今回の訪問が9月21日から24日までの4日間だったことは、SPAの報道で示された日程だ。この間に代表団は中国の旅行、観光、ビジネスの主要幹部と会談し、販売チャネルの拡大と商品開発、旅行体験の円滑化を議題にした。短期間に複数の会談を重ねる形式は、既存の提携先との関係強化と新規の販路開拓を同時に進める狙いがあるとみられる。

訪問の締めくくりとして、代表団は北京のサウジアラビア大使館が主催した建国記念日の祝賀行事に参加した。SPAはこれを、二国間関係の強さと、相互の文化交流における観光の役割の拡大を示すものだと位置づけている。観光振興と外交行事が同じ訪問の中で結びついた形だ。

中国の旅行会社にとって、サウジは文化遺産と紅海リゾート、都市観光を一つの旅程に組み込める目的地になりうる。AlUlaで遺跡を巡り、Red SeaやAMAALAで滞在し、RiyadhやJeddahで都市とイベントを楽しむという周遊型の商品は、通年のイベントカレンダーと組み合わせやすい。STAが示した10の目的地と30社超のデスティネーション・マネジメント・カンパニーは、こうした周遊商品を支える受け入れ網として提示されたものだ。

一方で、SPAの報道は今回の訪問で成立した具体的な契約や覚書の有無、会談した中国企業の社名、訪問中に合意した商品の内容や販売目標について触れていない。48%増という2025年の実績も、伸びの内訳や月別の動向までは示されていない。販促訪問の成果を測るには、こうした数字の裏付けが待たれるところだ。

中国人訪問者の増加が続けば、サウジ側の受け入れ体制、とりわけデスティネーション・マネジメント・カンパニーの対応力と、決済・テクノロジー面の整備が問われることになる。STAが掲げる統合的なエコシステムが、予約から到着までのどの段階で効果を発揮するのか。今回の中国訪問で築いた販売チャネルが、実際の送客につながるかどうかが次の焦点になる。

今回の中国訪問の目的は何か。 STAは中国人旅行者の誘致、商業パートナーシップの拡大、サウジの目的地や季節商品、イベントへのアクセス円滑化を目的に掲げた。訪問は2026年9月21日から24日まで行われた。

代表団を率いたのは誰か。 STAのCEOで理事会メンバーのAgeel Alshaibani氏が代表団を率いた。同氏は中国を主要な成長市場と位置づけ、2025年の中国人訪問者が48%増えたと述べた。

どの目的地が紹介されたか。 AlUla、Red Sea、AMAALA、Riyadh、Jeddahの主要目的地と、通年開催の国際スポーツ、文化、エンターテインメントのイベントカレンダーが紹介された。

STAが構築した体制とは何か。 10の受け入れ可能な目的地、30社超のデスティネーション・マネジメント・カンパニー、旅行・決済ソリューション・テクノロジーにわたるパートナーシップで、予約から到着まで旅行者を支援する。

訪問中に他に何が行われたか。 代表団は北京のサウジアラビア大使館が主催したサウジアラビア建国記念日の祝賀行事に参加した。SPAは二国間関係の強さと文化交流における観光の役割の拡大を示すと伝えた。

SPAが伝えていない情報は何か。 訪問中に成立した契約や覚書の有無、会談した中国企業の社名、合意した商品の内容や販売目標は示されていない。48%増の内訳や月別動向も触れられていない。