Sunday, October 18, 2026
サウジニュース

両聖モスクのデジタルサービス、タワーフとサアイの混雑度をリアルタイム表示

両聖モスクのデジタルサービス、タワーフとサアイの混雑度をリアルタイム表示

マッカのマスジド・ハラーム(聖モスク)では、タワーフとサアイのエリアの混雑度を来訪者がリアルタイムで確認できるデジタルサービスが提供されている。ライブ表示とリアルタイム更新、混雑が少ない時間帯を示す指標により、移動と礼拝を円滑にする仕組みだ。

サウジ通信(SPA)によると、両聖モスクのインタラクティブ地図は、来訪者が主要なランドマークや施設、場所、経路を探索できるようにし、ナビゲーションと来訪体験の向上を図っている。地図には聖カアバ、マカーム・イブラーヒーム、サファーとマルワ、アル・ラウダ・アル・シャリーファ、預言者の部屋、ミフラーブ(祈りの窪み)、預言者のミンバル(説教壇)など、約950のポイント・オブ・インタレストが含まれる。

プラットフォームは10万以上の想定経路を提供し、それらは17以上の異なる種類に分類されている。情報への容易なアクセスのため、650以上のQRコードも用意されている。さらに、敷地内には6台以上のインタラクティブ・スクリーンが設置され、障がい者向けのアクセシブルな経路や施設を含むナビゲーションに利用できる。

これらの取り組みは、マスジド・ハラームと預言者のモスクの事務を管轄する総合庁(General Authority for the Care of the Affairs of the Grand Mosque and the Prophet’s Mosque)が、スマートサービスの拡大、アクセシビリティの改善、来訪者満足度の向上に取り組んでいることを示すものだ。

タワーフとサアイは、巡礼者が最も集中する場所の一つであり、混雑度を事前に把握できるかどうかは、礼拝の質と安全に直結する。ライブ表示と混雑が少ない時間帯の指標があれば、来訪者は自分のペースで移動を計画できる。だが、こうしたデジタル情報は、実際にその場にいるすべての人が同じように受け取れるわけではない。スマートフォンや通信環境を持たない来訪者は、どのように恩恵を受けるのだろうか。

インタラクティブ地図が示す約950のポイント・オブ・インタレストは、単なる観光案内ではない。聖カアバやマカーム・イブラーヒーム、サファーとマルワといった礼拝の中心となる場所に加え、アル・ラウダ・アル・シャリーファ、預言者の部屋、ミフラーブ、預言者のミンバルといった、信仰上重要な場所が含まれている。初めて訪れる巡礼者にとって、これらの場所を地図上で確認できることは、迷いを減らし、限られた時間を礼拝に充てることにつながる。しかし、地図がどれほど詳細であっても、実際の人の流れは刻々と変わる。地図と現実の混雑が食い違ったとき、来訪者はどちらを信じるべきなのか。

10万以上の想定経路が17以上の種類に分類されている点も注目される。経路の分類は、単に距離や方向を示すだけでなく、混雑を避けるルートや、障がい者向けのアクセシブルなルートなど、利用者の状況に応じた選択肢を提供することを意味する。650以上のQRコードは、その場で情報にアクセスするための手段だ。だが、QRコードを読み取るには端末と通信環境が必要であり、高齢者や海外からの来訪者の中には、そうした操作に不慣れな人も少なくない。QRコードは、すべての来訪者にとって本当に「容易なアクセス」と言えるのだろうか。

敷地内に6台以上設置されたインタラクティブ・スクリーンは、端末を持たない来訪者にとって重要な情報源となる。スクリーンには障がい者向けの経路や施設も表示され、アクセシビリティの向上に寄与する。しかし、6台という台数が、世界から集まる膨大な数の来訪者に対して十分なのかは、数字だけでは判断できない。スクリーンの前で人が滞留すれば、新たな混雑を生む可能性もある。インタラクティブ・スクリーンは、混雑を緩和する道具になるのか、それとも別の混雑の起点になるのか。

総合庁がスマートサービスの拡大と来訪者満足度の向上を掲げていることは、SPAの発表から読み取れる。混雑度のリアルタイム表示、インタラクティブ地図、経路分類、QRコード、インタラクティブ・スクリーンは、いずれも来訪者の移動と礼拝を支えるための仕組みだ。だが、これらのサービスが実際にどの程度利用され、混雑緩和にどれほどの効果を上げているかを示すデータは、今回の発表には含まれていない。利用状況や満足度の指標が公表されれば、サービスの改善点もより明確になるだろう。数字の裏付けなしに、効果を語ることはできないのではないか。

タワーフとサアイの混雑は、時間帯によって大きく変動する。ライブ表示と混雑が少ない時間帯の指標は、来訪者が礼拝の時間を選ぶ助けになる。しかし、混雑が少ないと表示された時間帯に人が集中すれば、その時間帯自体が混雑するという逆説も起こり得る。リアルタイム情報が行動を変え、行動の変化が混雑の分布を変える。この循環をどう管理するのかは、デジタルサービスの設計上の課題だ。混雑予測は、予測そのものが現実を動かすことを考慮しているのだろうか。

障がい者向けのアクセシブルな経路や施設が、地図とスクリーンに表示されることは重要だ。アクセシビリティは、単に設備を設けるだけでなく、その存在を必要な人に確実に伝えることで初めて機能する。QRコードやスクリーン、地図上の表示は、その伝達手段となる。ただし、障がいの種類や程度によって必要な情報は異なる。すべての来訪者にとって使いやすい情報提供になっているかは、継続的な検証が必要だろう。アクセシビリティの向上は、誰にとってのアクセシビリティなのかを問い続ける必要がある。

SPAの発表は、サービスの内容と規模を示す数字を多く含む一方で、導入時期や運用主体の詳細、利用者数、混雑緩和の具体的な成果には触れていない。約950のポイント・オブ・インタレスト、10万以上の経路、17以上の分類、650以上のQRコード、6台以上のスクリーンという数字は、サービスの広がりを示す。だが、これらの数字が来訪者の体験をどれだけ変えたかは、別の指標で測る必要がある。数字の多さは、必ずしも使いやすさを意味しない。来訪者一人ひとりが、必要な情報に、必要なときに、必要な形でたどり着けているのか。その問いに答えるデータは、まだ示されていない。

タワーフとサアイの混雑度はどのように確認できるのか。 聖モスクのデジタルサービスが、ライブ表示とリアルタイム更新、混雑が少ない時間帯を示す指標を提供している。来訪者はこれらを通じて移動と礼拝を計画できる。SPAは利用者数や効果のデータを公表していない。

インタラクティブ地図には何が含まれるのか。 両聖モスクの地図には約950のポイント・オブ・インタレストが含まれ、聖カアバ、マカーム・イブラーヒーム、サファーとマルワ、アル・ラウダ・アル・シャリーファ、預言者の部屋、ミフラーブ、預言者のミンバルなどが示される。

経路やQRコードはどれくらい用意されているのか。 プラットフォームは10万以上の想定経路を提供し、17以上の種類に分類している。情報へのアクセスのため650以上のQRコードも用意されている。分類の詳細やQRコードの設置場所はSPAの発表に含まれていない。

障がい者向けの対応はあるのか。 敷地内の6台以上のインタラクティブ・スクリーンが、障がい者向けのアクセシブルな経路や施設を含むナビゲーションを提供する。地図にも同様の情報が含まれる。対応の具体的な範囲は発表されていない。

これらのサービスを担当しているのはどこか。 マスジド・ハラームと預言者のモスクの事務を管轄する総合庁が、スマートサービスの拡大、アクセシビリティの改善、来訪者満足度の向上に取り組んでいる。SPAは運用の詳細や導入時期を示していない。