Sunday, November 1, 2026
科学

10月の夜空、土星の衝と流星群、惑星の共演 ジェッダ天文協会が解説

10月の夜空、土星の衝と流星群、惑星の共演 ジェッダ天文協会が解説

10月4日、土星が衝(太陽と地球を挟んで反対側に位置する状態)を迎える。地球からの距離は約12億6000万キロ。サウジ通信(SPA)によると、ジェッダ天文協会(JAS)のMajed Abu Zahra会長が明らかにしたもので、土星は一晩中見えるほど明るく輝くという。

衝とは、地球から見て惑星が太陽の正反対に位置する配置を指す。この位置にある惑星は太陽の光を正面から受け、最も明るく、最も長い時間観測できる。10月4日の土星はまさにその条件を満たし、日没から日の出まで空にとどまる。10月の夜空は、この土星の衝を軸に、流星群の極大と惑星同士の接近が重なる観測シーズンとなる。

明け方の空では、火星と明るい木星が月と近接する。JASによれば、その日付は10月5日と6日。月、火星、木星という三つの天体が狭い範囲に集まる光景は、肉眼でも確認しやすい。なぜ明け方の空にこれほど多くの天体が集まるのか。それは、この時期に惑星が太陽から見て西側に位置し、夜明け前の東の空に並ぶためだ。

さらに火星は10月11日から13日にかけて、「プレセペ星団(Beehive)」の中を通過する。プレセペ星団はかに座にある散開星団で、暗い空では小さな星の群れとして見える。火星がこの星団を横切る数日間は、赤い惑星と青白い星々のコントラストが観測の見どころとなる。望遠鏡がなくても、暗い場所ならその動きを追える。

金星は10月の終盤、夜明け前の東の地平線近くに低く現れる。日の出直前の短い時間だけ見えるため、観測には東の空が開けた場所が必要だ。なぜ金星はこれほど低い位置にしか見えないのか。それは金星が太陽に近い軌道を回っており、地球から見て太陽から大きく離れて見えないためである。

流星群の活動も10月の特徴だ。りゅう座流星群(Draconids)は10月8日と9日に極大を迎える。JASは、この時期は空が暗く観測条件が良好だとしている。流星群の極大日は毎年ほぼ決まっているが、天候と月明かりが観測の成否を左右する。今年のりゅう座流星群は、その条件に恵まれる見通しだ。

続いてオリオン座流星群(Orionids)が10月21日と22日に極大を迎え、1時間あたり最大20個の流星が観測される。オリオン座流星群は、ハレー彗星が残した塵が地球の大気に突入して光る現象だ。1時間に20個という数は、暗い空でじっくり観測した場合の目安となる。街の明かりの強い場所では、この数は大きく減る。

暗い空が確保できる場所では、アンドロメダ銀河、プレアデス星団(すばる)、天の川も観測できる。アンドロメダ銀河は肉眼でもぼんやりとした光の帯として見える、地球から最も近い大規模な銀河の一つだ。プレアデス星団は青白い星が密集する散開星団で、冬の夜空の代表的な存在として知られる。天の川は、私たちが住む銀河を内側から見た姿である。

ただし、これらの観測は10月26日にやってくる満月「ハンターズムーン」の前までが条件となる。満月の光は空全体を明るくし、暗い天体のコントラストを弱める。なぜ満月は観測の妨げになるのか。月明かりが大気中の塵や水蒸気に反射し、空全体の明るさを底上げするためだ。流星や銀河を狙うなら、満月前の暗い夜が勝負となる。

10月の夜空は、一つの天体を追うだけでなく、複数の現象を組み合わせて観測できる点に特徴がある。土星の衝、火星と木星の月への接近、火星の星団通過、金星の出現、二つの流星群の極大、そして満月前の暗い空。これらはすべて、JASが示した10月の天文カレンダーに沿って起きる。

観測の成否を分けるのは、やはり空の暗さと天候だ。サウジアラビアには都市部から離れた砂漠地帯が広がり、暗い空を得やすい環境がある。一方で、砂塵や湿度の影響を受ける地域もある。10月の夜は気温が下がるため、観測時の防寒も必要になる。どの現象を、どの場所で、どの時間帯に狙うか。それが10月の星空観測の計画を左右する。

土星の衝は10月4日。火星と木星が月と並ぶのは10月5日と6日。火星がプレセペ星団を通過するのは10月11日から13日。りゅう座流星群の極大は10月8日と9日。オリオン座流星群の極大は10月21日と22日。金星が東の低空に現れるのは月末の明け方。そして満月は10月26日。これらの日付は、いずれもJASが示したものである。

流星群の観測では、放射点の位置を知ることが役に立つ。りゅう座流星群はりゅう座付近、オリオン座流星群はオリオン座付近を放射点とする。放射点が高い位置にあるほど、流星は多く見える。なぜ放射点を中心に流星が飛ぶのか。それは、地球が彗星の残した塵の帯に突入する方向が、放射点の位置と対応するためだ。

惑星の接近も、観測の計画を立てやすい現象だ。月と火星、木星が近接する10月5日と6日は、明け方の東の空を見ればよい。火星がプレセペ星団を通過する10月11日から13日は、同じく明け方の空が舞台となる。金星は月末の明け方、東の地平線近くに現れる。いずれも、日の出前の限られた時間帯が観測の窓となる。

10月の夜空を彩るこれらの現象は、特別な機材がなくても楽しめるものが多い。土星の衝は肉眼で確認でき、流星群も暗い空なら肉眼で観測できる。アンドロメダ銀河やプレアデス星団も、条件が整えば肉眼の範囲に入る。天体観測の入門者にとって、10月は格好の時期と言える。

JASは、これらの現象の日付と内容を公表した。一方で、観測に適した具体的な場所や、天候の見通し、各現象の詳細な観測時間については、SPAの報じた内容には含まれていない。観測を計画する人は、当日の空模様と月の位置を確認したうえで、暗い空を求めて場所を選ぶことになる。

土星の衝はいつ、どのくらいの距離で起きるか。 JASによると土星は10月4日に衝を迎え、地球からの距離は約12億6000万キロ。一晩中見えるほど明るく輝く。衝は太陽と地球を挟んで反対側に位置する配置を指す。

10月に極大を迎える流星群は何か。 りゅう座流星群が10月8日と9日、オリオン座流星群が10月21日と22日に極大を迎える。JASによるとオリオン座流星群は1時間あたり最大20個の流星が観測される。りゅう座流星群は暗い空に恵まれる見通し。

火星と木星はいつ、どのように見えるか。 JASによると、明け方の空で火星と明るい木星が月と近接するのは10月5日と6日。火星は10月11日から13日にかけてプレセペ星団を通過する。いずれも肉眼で確認しやすい現象とされる。

金星は10月にいつ見えるか。 JASによると金星は10月の終盤、夜明け前の東の地平線近くに低く現れる。日の出直前の短い時間だけ見えるため、東の空が開けた場所での観測が必要となる。

暗い空で観測できる天体は何か。 JASによると、暗い空が確保できる場所ではアンドロメダ銀河、プレアデス星団、天の川を観測できる。ただし10月26日に満月「ハンターズムーン」が到来する前までの条件となる。

満月はなぜ観測の妨げになるのか。 10月26日の満月は空全体を明るくし、暗い天体のコントラストを弱める。月明かりが大気中の塵や水蒸気に反射して空の明るさを底上げするため、流星や銀河の観測には満月前の暗い夜が適する。